星の向こうできみを待っている。

「希愛はさ、なんか書いたのかなぁって」


ここにきて、はじめての沈黙。


一度、窓の外に目線を変えると、白い一羽の鳥が飛んでいるのが見えた。


「あたしさ、書いたことないんだよね」


もう一度、颯斗に目線を戻し、にっこり答えた。

中庭のベンチで話した時と同じ。

あたしは笑っているのに、颯斗は一ミリも笑ってないの。


「死んじゃうのに、願い事なんかして何の意味があるのかなって」


どれだけ考えても分からなかった。

自分の未来を想像しても、見えるのは真っ暗な景色。

そのたびに、あぁ、あたしは死ぬ未来しかないんだって実感する。
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