星の向こうできみを待っている。

「それだ!なんで気が付かなかったの!」


別に折ることにこだわらなくてもいいじゃん。

思い立ったら即行動。

あたしは勢いよく階段を駆け上った。

その時「走んな!!!」ってお兄ちゃんのすごい声が聞こえたけどそんなの無視だよ。



部屋のドアを勢いよく開け、クローゼットの中に収納させたボックスからあるモノを取り出す。


それは、あたしが中学生の時に使っていたもの。


───あった!



お目当てのものを見つけ出すとすぐにつけた。

カチャっと金属同士があたる音がする。


「うん…いい感じ。ベルト最強じゃん」


ちょっと今ね、感動してる。


あれだけ時間をかけて合わせたスカートが一瞬で、慣れた位置に固定させたんだもん。


ベージュのカーディガンを羽織って、髪を緩く束ねてみた。

本当はお化粧もしてみたかってけど、道具も技術もない。

だから、リップだけ。

お気に入りのピンク色のリップを薄く塗った。
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