星の向こうできみを待っている。

午後1時。

待ち合わせは、いつもの公園。

優しい春の風、綺麗な青空。

辺りには風に吹かれた桜の花びらが舞っている。


公園につくと、時計台に寄り掛かりスマホをつつく黒髪の男の子の姿を発見。

あれ…?

颯斗……だよね?

しばらくの間固まっていると、あたしに気づいたのか、スマホからあたしに視線を向けた。


「希愛」


聞き慣れた低い声。


「颯斗っ!」


名前を呼びながら勢いよく駆け寄ると、その勢いに流されるように颯斗に抱き着いた。その勢いに、颯斗の体は一瞬バランスを崩したけど、すぐに立て直した。


「あぶねぇだろ。あと、走んな」


頭の上から聞こえてくる低い声。

その単語、さっきも聞いたよ。
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