星の向こうできみを待っている。
「あのね…」
あたしの言葉は、溢れ出す涙に邪魔された。
早く言いたいのに…。
伝えたいのに…。
「どした?」
優しい声。
離れていても、伝わる温もり。
この温もりも離さなくていいんだよ。
ずっと、一緒にいられるんだよ。
こんなにも幸せなこと、他にないよ。
「ドナーが、見つかった……」
喉から声を絞り出す。
その直後、画面の向こうからガタッと何かにぶつかる音が聞こえた。
「ほんとう…か?」
颯斗の震えた声。
鼻をすする音。
多分今、颯斗も泣いてる。
あたしと同じように涙を流してる。
見えなくても、なんとなく分かるよ。
「冗談で、そんなこと言わない……」
ねぇ…。
どうして、生きられるって当たり前のことがこんなにも嬉しいのかな。
好きな人の傍にいられるって小さな幸せがとてつもなく大きな幸せに感じる。