星の向こうできみを待っている。
その日はそのまま入院することになった。
詳しい検査とか、いろいろあるんだって。
夕方、角度のついたベッドで横になっていると颯斗が来てくれた。
黒髪に染めても、着崩した制服とピアスの多さからヤンキー感は消えていない。
長めの前髪の向こうに見える切れ長のはほんのり赤い。
やっぱり昨日、泣いたのかな…?
「ドナー、見つかるって信じてた……」
優しく抱きしめてくれる腕。
諦めていたあたしとは違って、颯斗はいつも信じてくれていた。
颯斗の言葉は現実になるくらい、すごい魔法なんだよ。
「あたし、手術受けるから……。
絶対、生きてみせるから……」
今までで一番強く、颯斗を抱きしめた。
「うん…。希愛なら大丈夫だから。
絶対負けんな」
うん。
絶対に負けない。
声にならない声で、その意味を込めて何度も頷いた。