星の向こうできみを待っている。

「看護師さん、呼ばなきゃ…」


分かっているのに体が動かない。

吐いたこと、知られたくない。

もしもこのまま体調悪くなったら?

もしも、手術できないって言われたら?


そう思うと、途端に怖くなった。


「……うっ」


再び襲い掛かる吐き気。

あぁ…ダメだ。


ナースコールをすると、すぐに看護師さんが来てくれた。


「ごめんなさい…」


泣きながら、謝ることしかできない。

そんなあたしに、看護師さんは優しく背中をさすってくれた。

その優しさに、また、涙が溢れた。
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