星の向こうできみを待っている。

「手術はできないけど、あたし、もう少し頑張るから…」


せめて夏まで。

颯斗と出逢った。

颯斗と恋をした。


たくさん泣いて、

たくさん苦しんで、

たくさん照れて、

たくさん温もりに触れた。


生まれて初めて、生きたいと思った。


あたしにとって夏は特別な季節だから。


「夏まで生きられたら、また一緒に星みたい…」


屋上で、あの時みたいにさ。


「絶対一緒に見るから…、それまで負けんな…」


「約束、ね…」


病院の病室で流した2人の涙。

交わした約束を、あたしは一生忘れないだろう。
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