星の向こうできみを待っている。
6章
七夕の願い
その日の夜、ロビーのソファの背もたれに寄り掛かり、窓ガラスから外の景色を眺めた。
幸いなことに、歩けるだけの体力はまだある。
「こんな時間にこんなところで珍しいね」
突然、聞き慣れた声がしたから振り返ると、そこには先生の姿。
「寝てばかりだと飽きちゃうから」
少しだけ、気分転換。
「ねぇ先生…。この前はごめんね。
医者に”殺して”なんて言ってさ…」
先生は、いつも一生懸命あたしを助けようとしてくれてたのにさ。
そんなことお願いしちゃうなんて、バカだよね。