星の向こうできみを待っている。
「正直言うと、私は今も希愛ちゃんを手術してあげたい。だけど、それは医者としてであって、1人の親としてはしたくなかった」
「どういうこと…?」
1人の親って…。
確か前、先生には娘さんがいるって話を聞いたことがある。
それと何か関係あるの…?
「5年前の夏、家族でキャンプに行ったんだ。その時娘は、川で溺れて亡くなった。すぐに救急車を呼んで病院に搬送されたけど、脳死と確定されたんだ。
私は医者なのに、娘の命さえ助けてあげられなかった。7歳になったばかりで、これからたくさんの経験をさせてあげたかったのに、何一つさせてあげられなかった。だからせめて、他の人の体の一部となって生きて欲しいと思い、臓器提供をしたんだ。
最初は嫌だった。だけど、あの時していたからこそ、今も娘はどこかで生き続けている。私は医者である前に1人の親でしかない。結局、自分の子どもが一番可愛いんだ…」