星の向こうできみを待っている。


体調は良くも悪くもならないまま誕生日の前日になった。

今のあたしなら、発作も起こらず無事に誕生日を向かえられる気がする。






深夜11時30分。

そろそろ寝ようと思った時、ゆっくりとドアが開く音がかすかに聞こえた。


こんな時間に誰だろう…。

ここは、個室のため先生か看護師さんしか出入りしない。ただ、時間が時間なだけあって、それも怪しい。


「…誰?」


薄暗いため、顔までははっきりと見えない。

だけど、絶対に先生じゃないことだけは分かる。


「…しっ」


そっとあたしの唇に人差し指をあてる人が誰か分かった時、心臓が止まるかと思った。


「……颯斗?なんで…!?」


「声出すな」


そんなこと言われても…。

面会時間はとっくに過ぎてるんだよ?

いったいどうやって…。
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