星の向こうできみを待っている。
誕生日まであと数秒。
颯斗のスマホの時計を2人で見つめる。
「希愛、誕生日おめでとう」
深夜零時ちょうどに聞けた颯斗のおめでとう。
「ありがとう…」
今まで誕生日なんてなんとも思わなかった。ただ、1つ年をとるだけで普通の日と何一つ変わらない。そう思ってきたけど、こんなにも嬉しい日なんだね。好きな人から言われる『おめでとう』は特別な言葉に聞こえた。
「これ、プレゼント」
渡されたのは、リボンが付けられたパールピンクの細長い箱。
「開けていい?」
照れくさそうに頷く颯斗の隣で、そっと箱を開けてみた。
「かわいい」
箱に入っていたのは、ピングゴールドの輪の中に星のストーンがセットされたネックレスだった。