星の向こうできみを待っている。

「お前ら、人の店の前で何やってるんだ!!」



その怒鳴り声にはっと我に返る。



…っ。


なにやってんだよ、俺は…。



「すんません…」


軽く頭を下げると、その場をあとにする。


とぼとぼ歩いてたどり着いたのは、希愛との待ち合わせに使っている公園だ。



「情けねぇな…」


ベンチに座り、ぼそっと呟いた言葉は、儚くも夜の闇に消えていった。



希愛がいないだけで、俺はどうしようもなく弱い存在になる。



希愛はまだ生きている。

希望だって持てるはずなのに、頭を過ぎるのは最悪な考え。

仮に目が覚めたとしても、もう時期…ということまで考えてしまう。
< 369 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop