星の向こうできみを待っている。
こんなにも愛おしい人が、二度と会えない存在になると考えただけで、涙が止まらなかった。
今まで、
当たり前のようにそばにいて。
当たり前のように笑いあって。
当たり前のように照れ合った。
それがどれだけの奇跡だったか、今になって思い知らされる。
◇
あれから3週間が過ぎた。
だけど、希愛が目を覚ます気配は一向にない。発作もなく安定しているだけいい方なのかもしれないが、正直、俺の不安は1ミリも消えていない。
いつ急変するかも分からない。今、"その時"が来てもおかしくない状態まできているのだから。
「希愛……」
思わず、名前を口にする。
「俺、希愛に伝えたいことがまだあるんだから…。頼むから、目、開けてくれよ……。いつまで寝てんだよ…」
静かに眠る希愛の手をぎゅっと握りしめる。
温かい小さな手。その温もりは、生きていると必死に叫んでいるようだった。