星の向こうできみを待っている。

『こんなに早く会いに来ちゃダメよ。希愛はまだ、やらなければいけないことがたくさんあるはずよ?』



やらなければいけないこと?

あたしはもう、満足したよ?

もう、やり残すことなんてないよ?




『あたし、もう十分満足したよ?もう、お母さんのところに行ってもいいでしょ?』


『お母さんはね、希愛よりもずっと長生きをしたけれど、やり残したことがたくさんあるの。だから、希愛にも必ずあるはずよ』


そう言って、お母さんは優しくあたしを抱きしめた。


やり残したこと?


そんなのないよ…。


あれ?

なんだろう…。

心のどこかがモヤモヤする。


あたし、何かやり残したことがあるの?

何かを忘れてる?
< 374 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop