星の向こうできみを待っている。


『希愛』


その時、また誰かに呼ばれた。


低くて、落ち着きのある懐かしい声。



『ほら、今もあなたを待っている人がいるでしょ?』



お母さんはクスッと笑うと、静かに消えていった


待って、行かないで。

やっと会えたのに…。



『……』


また、声が聞こえたけれど、なんて言っているのかまでは聞き取れなかった。

だけど、この声は知ってる。

何度も聞いた、あたしの大好きな人の声だ。




「……は、……や、と……?」




ゆっくりと瞼を開けると、白い光がぼんやりと広がった。



それに、右手に感じる温もり。ゆっくり首を横にすると、涙目になっている颯斗と目が合った。




「よかった…。絶対、意識戻るって信じてた……。本当、よかった……っ」



ぎゅっと手を握りしめる颯斗は、あたしにまで伝わるくらい震えていた。
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