星の向こうできみを待っている。
「ん〜!天気いいと気持ちいいね」
颯斗にここまで車椅子を押してもらった。
8月の暑さも、ずっと病院にいたあたしにとっては心地いいものに感じる。
「なんかさ、こうやって2人でお出かけするのすごい久しぶりだね」
最後のデートは、ちょうど1か月前、あたしの誕生日の時だったもんなぁ。
「希愛がずっと寝てたからだろ、このねぼすけ」
「じゃあ、次から寝てたらちゃんと起こしてね」
起こしてくれないと、いつまでもねぼすけでいてやる。
「約束だよ?」
そう言って、小指を颯斗の胸の前にだすと、自分の小指と絡めた。