星の向こうできみを待っている。




「やだやだ!!おうちかえる!」


「わがまま言うな。ちゃんと手術して病気治そうな」


「おなかきるなんてやだ!いたいのやだ!」


はっきりしない意識の中、聞こえてくる声。

…誰かいる?


瞼を開け、軽く目をこすると、隣には角度のついたベッドで駄々をこねる小さな男の子と、対応に困る背の高い男の人がいた。


することもなく、寝ているだけの毎日。

寝ている間に何かあるのはいつものこと。

だから、たいして気に留めず、もう一度瞼を閉じようとした時───。



「ケホッ…」


…いきなりむせた。
< 4 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop