星の向こうできみを待っている。

「あたしね、ずっと“ユウ”って名前なのかと思ってた。看護師さんや、さっきの子が“ユウトくん”って呼んでるの聞くと変な感じ」


2人きりの病室。

ほんのり赤く染まった希愛の横顔。


「俺も、母さんも、ばあちゃんも “ユウ”って呼ぶから。俺も、変な感じ…」


顔を見合わせ、お互い照れたように笑う。


…やべぇ。


なんか、すげぇドキドキすんだけど。


『颯斗が恋したって』


ふいに、タケの言葉が頭をよぎる。


「…マジかよ」


思わず、つぶやいた言葉。
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