星の向こうできみを待っている。
「そっか…」
返ってきたのは力ない一言。
いつの間にか、ほどかれた腕。
「…ごめんなさい」
もしも病気じゃなかったら、“好き”って言葉を口にしていた。
抱きしめられる腕に応えるようにあたしも颯斗のことを抱きしめた。
ただ、病気じゃなかったら、出逢うことすらなかった。
最初からこんな気持ちにならなかった。
元気な颯斗と元気なあたし。
見える未来は、2人が幸せそうに微笑む姿じゃない。
ただ、どこかですれ違って終わるだけの関係。
「俺の方こそ悪かった…」
あたしに向けられる言葉はいつも温かい。
それなのに、この一言には、温もりを感じることができなかった。