星の向こうできみを待っている。

「…本当、ごめん」


沈黙が続かないよう必死で言葉を考えるけど、その場に合う言葉が思い浮かばない。代わりに出てくる言葉は“ごめん”の一言のみ。


「謝んな」


返ってくる言葉も短くて、繋げる言葉が見つからない。ただ、気まずい時間だけが過ぎていく。




「…つーかさ」


しばらくの沈黙後、颯斗の低い声が静かなロビーに響いた。


顔を上げ、彼の顔をみると、その瞳は揺らぐことなくあたしを見つめている。


直後、頬に触れる大きな手。

肌に直接触れる優しい温もり。


どうしよう…。

何故だか分からないけど、すごく泣きたくなった。
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