星の向こうできみを待っている。
「……泣いた?っていうより、今も泣きそうか」
颯斗の困った顔。
じわっと、さっきよりも目頭が熱くなる感覚に襲われた。
颯斗に出逢って何度も感じた感覚。
その直後に包まれる温もり。
そのたびに苦しくなって。
同時に好きになっていく。
坂道を転がるように、どんどんきみに落ちていく。
「………好き」
その言葉を口にした瞬間、一筋の涙が頬を流れた。
たった二文字の想いなのに、そこには二文字以上の想いがある。
「…え?今、なんて…」
まっすぐな瞳が揺らぐ。
涙越しでも、颯斗が動揺していることが分かった。