星の向こうできみを待っている。
「おなかきるの、いたいから……」
「そっか…。でもね、ここの先生はユウくんのお腹切っても痛くないように魔法の薬を持ってるの。だから大丈夫だよ」
「おねえちゃんも、しゅじゅつしたことあるの?」
ユウくんの問いかけに一瞬戸惑ったけれど、「あるよ」と答えた。
「いたくなかった?」
「眠ってる間に終わっちゃうよ」
”痛くない”
そう言ってあげたかったけれど、言えなかった。手術中の痛みは無くても、麻酔がきれれば痛みがある。そんなの、何回も手術してきたから痛いほど分かるもん。
「そっか…。ぼく、しゅじゅつがんばろうかな…」
ほらね。子どもは純粋だから。不安さえ取り除いてあげれば簡単に頑張ろうとするの。
涙を溜めながらも、笑みを浮かべるユウくんを見ていると、少しだけ複雑な気持ちになった。