星の向こうできみを待っている。
季節は夏から秋に変わる頃。
体調もだいぶ落ち着いたあたしは、先週から大部屋に戻っている。
「もうやだ…。いたい…っ。おうちかえる…っ!!てんてきしたくない…っ!!」
「苦しいけど頑張ろうね。もう少ししたら、お兄ちゃん来るからね」
隣から、1日に何度も聞こえるユウくんの苦しむ声。何度も涙を流した証であるシーツには無数のシミ。
腫瘍が思っていたより大きく、摘出手術を行えなかったらしい。そのため、抗がん剤を使い腫瘍を抑えてから摘出することになり、辛い毎日を送るユウくん。
1日に何度も繰り返される嘔吐。
出会ったときより細くなった体。
いつの間にか抜け落ちた髪の毛。
苦しむユウくんの声を隣で聞くことしかできない。