星の向こうできみを待っている。
◇
夕方、日も暮れかけた時間帯。
治療で疲れたユウくんはいつの間にか眠っていた。
出逢った頃は、乱暴な開け方だったのに、最近は静かにドアが開く。
いつもなら嬉しいはずなのに、今日は無理。
こんな状態で、颯斗の顔を見てもうまく笑える自信ない。
毛布で顔を半分隠し、そのまま寝たふり。
「また、泣いたのか…」
優しい手が、そっと頬に触れた。
その瞬間、また泣きたくなった。
なんで、涙って枯れないのかな…。
いくら泣いても、また涙が出ちゃう。
泣いた分だけ強くなれるって言うけど、あんなの嘘だ。
泣いた分だけ弱くなっている気がする。
だって、すぐに誰かにすがりたくなるんだもん。