星の向こうできみを待っている。





夕方、日も暮れかけた時間帯。

治療で疲れたユウくんはいつの間にか眠っていた。


出逢った頃は、乱暴な開け方だったのに、最近は静かにドアが開く。

いつもなら嬉しいはずなのに、今日は無理。

こんな状態で、颯斗の顔を見てもうまく笑える自信ない。

毛布で顔を半分隠し、そのまま寝たふり。




「また、泣いたのか…」


優しい手が、そっと頬に触れた。

その瞬間、また泣きたくなった。

なんで、涙って枯れないのかな…。

いくら泣いても、また涙が出ちゃう。

泣いた分だけ強くなれるって言うけど、あんなの嘘だ。

泣いた分だけ弱くなっている気がする。

だって、すぐに誰かにすがりたくなるんだもん。

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