星の向こうできみを待っている。
「は…やと…っ」
立ち去ろうとする、颯斗のシャツの裾をぎゅっと握る。
「起きてたのかよ…。どした?」
頭にポンっと大きな手が乗せられ、その手はあたしの髪の間を通って背中に回された。
「あの…っ…ごめん…なさい…っ。あたし…」
それから、泣き続けることしかできなかったあたしに、颯斗は優しい言葉をかけ、背中をさすり続けてくれていた。
「落ち着いた?」
「うん…。ごめん…」
颯斗の制服、また濡らしちゃった。
また、迷惑かけちゃった…。
「なぁ、もう…やめね?」
…へ?
“何を…?”
そう訊きたいのに、喉に声が詰まってでない。
もしかして、付き合っていること?
嫌気が差した?
めんどくさい女だって思われた?