愛しの先生〜キラリ輝くリング〜【上】
秘密の教科書




“今日放課後”


って言う先生の黒い文字で書かれた言葉。。


数学の教科書に書かれてる沢山の数字や文字をあたしの目にはとまらない…


あたしの目にはその言葉だけが映し出されていた。。

書いた犯人は、黒板の前でボケーと立っているあたし達の担任。。


千野準。。数学担当。


「奈菜ぁ〜また、先生見ちゃってぇ♪」


肘であたしをつつく中野紗恵。。


「見てない〜!」


「顔がニヤけてるよ?」


う゛っっ……


「……失礼なぁ!!」


「伊加!」


愛しい人の声は、一発で分かった。。


「先生っ!?」


「…教科書貸して。」


先生は少しムスッとしながら手を差し出した。。


「え、あ…はい。。」


あたしは、開てたページを閉じて先生に渡した。。


「ありがと。」


そう言ってまた、黒板の前に向かって行った。。




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