恋する剣士
道場に入った初日



「新入りか?俺、永倉新八!宜しくな!」



予想通り、彼は声を掛けてきた

道場の壁に掛ける名札を見て

「あ…」


あぁ、この人も… アキラと呼ぶのだろうか


「おい!永倉!新入りをいじめるなよ!」

「虐めてねーよ!」



結果、折角話し掛けてくれたのに
返事すら出来なかった


ドキドキと胸を打つ


ガラにもなく緊張したのだろうか













新八君は、皆から慕われていた







道場の人達は、私の噂をしていた
よくもあることないこと、話が次々に大きくなるなぁと
感心したものだ


新八君は私を好奇の目で見ることなく







誰に対しても優しかった











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