恋する剣士
そして、新八君のまわりは笑い声でいっぱいだった


昴との約束の日が、近づく

〝道場で1番になったら、昴の決めた相手に嫁ぐ〟



約束の日を前に、新八君が道場を去った


さよならも言えなかった





月日が流れ、約束の日






深紅の着物を身にまとい、化粧を塗ったくり
嫁ぎ先へ

向かう籠の中で、どうしようもなく
嫌になった

結婚が嫌なのか
窮屈な生活に戻ることが嫌なのか

兎に角、逃げた


日頃、昴から逃げる訓練も受けていたから
簡単だった



なぜか、道場に向かっていた


目の前に新八君が現れた時は、夢か幻か
妙に見詰め合った


追いかけてきた昴から、容赦ない平手打ち
昴の面子を潰したのだ
これは、当然のことだ

道場に通う為に約束したのに
約束を破ったんだし…




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