恋する剣士
牢で冷静になってきた頃

体が鈍らないように、素振りをしていた


鴨君と出会ったのは、その時


「ただ振るだけでは、いかん」


鴨君は、面倒見が良かった
そして、夢を語ってくれた


〝夢〟



先の事すら考えたことのないわたくしは
衝撃を受けた


「こうなりたいとか、こういう生き方がしたいとか
ないのか?」

「ない」

「今から、考え、夢を持て」



世の者は、皆
夢を持ち生きているのか…



鴨君と話をしているうちに
無実だということがわかった

面倒見の良さゆえに、人を庇い、捕まったのだと


「昴、鴨君を釈放して
彼は、無罪だ」


昴の調べで、無実なのだとはっきりわかり
鴨君は、釈放されていった



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