恋する剣士
戻ってきた昴の頬は、腫れていた
左の口角は、切れていた


「どうした?喧嘩でもしたのか?」


「……」


無言で、こちらを見る昴の顔を見る

表情がないのは、いつものこと


「アキラ… 」


「なに?」


ほんの一瞬だけ



昴が辛そうな顔をした気がした



「痛いの? 冷やしなよ」



昴は、あの時

何か言おうとしたのかな






結局、何も言わずに出て行った







なんだったんだろう













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