恋する剣士
「ごめんなさい…
わたくしが、勝手に水風呂に浸かったんです」


明の言葉に日頃、水風呂を用意していた侍女らが
俯いた


慶喜と側近が明をジッと見る


「なんだか、熱くて…
水に浸かったら、気持ち良くて…
いつの間にか、寝てしまって…」



そばにいた医者が、クスクスと笑う




「姫様は、朝から熱があったのでしょう
熱冷ましに水風呂は、おすすめできません
しっかりと温かくして、安静にして下さい!」




「ハイ」




消え入るような返事をした




医者が退室し、改めて


「お騒がせして…申し訳ございません」




明がしょんぼりと頭を下げた








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