恋する剣士
城内警護の男達や慶喜の家臣らが
〝あれは、昴だ〟と訴える明に困り顔

明が、雰囲気を察して、視線を落とし
感情を殺そうとした

侍女らには、我慢をしようとする明が
可哀想に想えた


「姫様が、昴だと仰せなら
あれは、昴でございます!
違うと申すなら、捉え姫様に確認して貰いましょう!」


「は?」


男達が、ますます困り顔になる



「さぁ!捕まえて下さいませ!
ここに昴と違うとお示し下さい!」



明の顔が再び上がる
侍女の背中を見る



「信じてくれるの?」




振り返り、明に微笑む



「私は、姫様を信じております!」



「ありがとう」





慶喜の妻になり、生きていくことに
少し自信がついた



ーーー普通の暮らしが出来そうかも







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