壊れるほどに愛して。
肩まで伸びる金髪の毛先をクルクルしながら廊下を歩き、自分の教室である3-8へ向かった。




すれ違うときに周りから白い目で見られるのは慣れてる。2年前に入学した時から、ずっとだ。




「舞川さん、また呼び出しくらったみたいだね〜」


「ほんと、何しに学校来てんだろ」




陰口を叩く女子たちを睨みつけ、あたしは自分の席に着いた。




窓側の前から2番目。よくも悪くもないこの席は、2年生の夏からあたしの定位置だ。




「紫苑、お疲れ〜また怒られたんだろ?」


「うっさい、春騎だって昨日まで停学くらってたくせに。ばーーか」




前の席に座る 神原 春騎(かんばら はるき)が馬鹿にしたように笑うから、あたしの頬は少しだけ緩む。




あたしの数少ない友達のひとりだ。





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