あげます、ココロ以外。
「うお?!」
「あ、先輩。4日ぶりですね」

先輩は、あの日と同じお酒片手に私の背後から現れた。
あのハーレムをかいくぐって来たみたいだ。

いつの間にか、女の人たちはすでにそれぞれで散らばっていた。

「ミノル、何かまたトイレ掃除が必要みたいだぞ?」
「えーっ、またっすか?!」

文句を言いながらもトイレのほうへと向かって行くミノルと言うらしい男の背中を見送った。

「吐くぐらいなら飲まなきゃいいのに」
「やけ酒かもな。」

そんなトイレで粗相をした人のことを話しながら、その方向を見つめる。

ふと、先輩を見ると顎でクイッとカウンター席への誘導をかけられていて、それに従って足を進めた

カウンター席に着くと、隣に当然のように座ってきて、会ったときから思っていたことを聞くことにした。

「お酒、飲むんですね?」
「ん?あー、いやこれは違う」

持っていたお酒に気づくと、テーブルに慌てて置いた。

「客が悪酔いしそうになってたら、さり気なく奪ってんだ。・・・あの時もな」

あの時って、私と会ったときに持ってたお酒・・・?


「・・・世話焼きなんですね」

「うるせー、仕事だ!」

言葉の通りお酒をウエイターの人に預け、一切口にしなかった。
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