あげます、ココロ以外。
『ストーカー探し』

言葉を聞けば危険を伴う予感がするが、店の中を回る限り、特にそんな気配は無い。


良かった・・・。


と、安堵したのも束の間。


「やられた・・・」
「きょ、狂乱者じゃない?これ・・・」

関係者以外立入禁止のスタッフルームで事件発生。

響の手にはボロボロに引き裂かれたTシャツ。

服が汚れたときのための着替えをロッカーにしまっておいたらしく鍵もかけていたはずなのに、無理矢理こじ開けた跡がある。

「一言いい?」
「どうぞ」

「こっっわ!!」

「俺も全く同じこと考えてた」

証拠にはなるな、と言いつつ袋にTシャツを入れ込んで、響はガシガシと頭を掻くとロッカーを睨みつけた。

「・・・修理代が自腹だったら俺泣く。」
「そこ?!」

ここにきてお金を心配する?!響にビックリだよ!

そんな私の驚きをよそにさっきのミノルに監視カメラがどうとかを話し出して、これといって怒りや悲しみが顔に出ている様子はない。

男の人ってこんなものなのかな?
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