嫌いの反対
「誰だっつってんだよ」
私は机をガンと蹴った。
前の2つも巻き添いにして派手な音を立てて崩れていく。
…いまのあんた達みたいね。
「もうやめとけ」
波留多がそう止めるけど私はまだ止めたくない。
…波留多にこれ以上甘えてなんかいられない。
視界がグラつく中、黄竜の幹部の顔を一人一人ちゃんと見た。
まだ、分かってないのか。
…の割に皆顔歪めてるけど。
ハハッと声を漏らすわたしに波留多が血相をまた変える。
「お前」
聞こえない。
「もうやめろって」
聞こえない。