嫌いの反対
バチっと目を覚ましたのはそれから2時間経ったとき。
ここどこ?とはならなくて、お決まりのツンとした薬の匂いとクリーム色の仕切りのおかげでここは保健室なんだ、ってすぐに分かった。
「うわっ…」
至る所にぐるぐる巻きにしてある包帯が目に入る。
多分…いや、絶対波留多だ。
「大袈裟なんじゃ…」
「咲良!?!?!?」
シャッと仕切りを誰かに勢いよく開けられたかと思うと、そのまま勢いよく抱きしめられる。
…ああ、もうこの人は。
「心配、したんだからなっ…」
「波留多、大袈裟だよ」
震える声。キツく抱きしめる腕。
この人は本気で総長なんだろうか?
目の前にいる彼は弱々しくて、健気で可愛いと思うんだけど。