嫌いの反対
私は幹部室を飛び出して隆琦の元へ走る。
下っ端くんたちの目の飛び出ようは驚いたけど、今はそこに突っ込んでる暇はない。
「隆琦!!!!」
大声で呼び止めると隆琦は「んー?」と振り返ってくれる。
「どこ、行くの?」
私の言葉に少し…隆琦が顔を顰めた。
「知ってるんでしょ?」
「え?」
「知ってて、なんでどこ行くの?って聞くの?」
「それは」
「女の所だよ?」
いつもより段違いに冷たい声に私は肩をビクつかせる。