嫌いの反対
「何で?」
「え?」
「何で、いくの」
絞り出すように発するとまた隆琦の顔が歪む。
隆琦のこと、心配してるんだよ
伝わってない?
「それは咲良に言う必要があるのかな?」
隆琦のその一言は私を真っ暗にするには充分だった。
「…私のこと、心配してくれてるんじゃないわけ?」
「心配してるよ?」
「私も同じように隆琦のこと心配してんの!!!!私に言う必要が無くても、何でそこまで秘めようとすんだよ。抱えて抱えて、本当は助けてって言ってんの見え見えなんだよ、そこまで聞いて欲しくなかったらもっと完璧に隠してくれる!?!?」