嫌いの反対
私は止まらなくて言葉を続けた。
「ここはみんな、誰かに裏切られてんの、初めに勇太が言ってたでしょ!?裏を返せばみんな裏切られた時の気持ちが分かるの!皆同じ気持ちを味わってんの!そんな人たちも騙せると思わないで!!!!」
隆琦。私がここまで熱くなるのは
「ありがとう」
…君が『仲間』だと思うからだよ。
「おいおい何の騒ぎだ」
私の後ろに並んだ波留多に溜息をつくけど、隆琦はなぜか吹っ切れたように笑った。