嫌いの反対


そんなある日の放課後。


ゴミ捨てのために校内をスタスタ歩いていると聞き覚えのある声がした。



「あんた今日隆琦のこと見てたよね?」

「い、いや、私は隆琦さんじゃなくて」

「軽々しく隆琦さんとか呼んでんじゃねえよ」


ドガッ

バキッ




自分の事で何を揉めてるんだろうと少し身を乗り出すと、カンカンに怒った彼女と、たしかに今日目があったな〜くらいの子がいたらしくて。



「あんた隆琦のこと好きでしょ」

「え?」

「だからって見つめてんじゃないわよ」




そういってまた蹴りつけたのを見たという。



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