嫌いの反対
「はじめはただの興味本位だった。
友梨を姫にすれば咲良を嫉妬させられるんじゃないかってバカみたいなことも考えた。
でも友梨が姫に入ってから、あいつは…自分の感情を隠すなんてこと、しなくなったんだよ。」
はじめて聞く裏事情に頭を整理しながら相槌を打つ。
「『私の悪口を言ってる』とか、最初は嘘だろって昴たちも反論してたんだよ。
でもあいつは周りから固めていった。
幹部の奴らが信用していくたびに咲良が悪者になっていった。
俺は…お前をとっていいのか、黄竜をとるべきなのか、分からなくなっていった。」