嫌いの反対
それから波留多の「ごめん」で体を離し、再びみんなのところへ戻った私たちは、今までのことをすべて話すと後は任せろと言われた。
「じゃあ帰るね」
「俺も帰るか」
「いやいいよ、波留多、話し合いあるでしょ。それにあたし今日荷物取りにうち寄らなきゃいけないし」
「そうか」
悪いな、と続けた波留多はまた幹部室へ戻る。
何とも言えない寂しさが心を渦で埋めた。
「帰ろ」
感情を振り切るように背を向けて歩き出した。