嫌いの反対


「おかえりなさい?笑わせないでくれる?」

そこまで言うと母親の顔つきが変わったことを確認する。
父親と兄は振り返らない。

「いきなりいなくなったと思えばいきなり帰ってくるのかよ。それで好き勝手やって『おかえりなさい』かよ!!!!!!!!!!笑わせんな」

椅子をガンと蹴ると母親がビクつかせる。

「お前いい加減にしろよ」

やっと父親が挟んできたかと思えば、耳を疑うようなことを言い放つ。

「は?いい加減にするのはどっちだよ?」

「お前相変わらず憎たらしいのな。」


そう言われたのを最後に私は父親に殴られ、意識を飛ばした。


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