嫌いの反対
次に目を覚ました時には私の部屋にいた。
ああ、運んでくれたのかと少し見直したのは一瞬ですぐに体の異変に気が付く。
ベッドに縛られた体。
拘束されているんだってすぐにわかった。
「クソ家族」
そんな声が届くはずもなく、必死で別のことを考えようと頭が動く。
波留多に、会えない。
何故かそれだけが離れなくなってしまった。
零にも、守にも、勇太にも、隆騎にも、会いたいはずなのに。
…会いたいのに。
「みんな」という括りではなく、波留多だけを除外して考えている自分がいた。