嫌いの反対
兄さんよりも僕の方が同級生の友達はいたし、スポーツができることによって一目置かれていたから。
〜続けてそういう勇太の目は相変わらずのものだった。
でも大人は兄さんを慕う。僕はその意図が分からなかった。今なら分かるんだけど。結局モテてた方が、同級生といた方が良いんじゃないかって、兄さんを恨んで優越感に浸ってた。色んな女の子と、色んな友達と遊んだりして。
ある時、幼馴染だった女の子に「女の子と遊ぶのはやめて」って言われたんだ。
その女の子は僕と兄さんが好きだと思っていた相手だった。
〜そこまで聞いて勇太から目線を外して前を見ると勇太の言葉とは裏腹に綺麗な景色が広がっていて。