嫌いの反対



そこまで言ったとき、後ろから手を引かれた。



「首を突っ込み過ぎだ、咲良」



背中にあたった胸板。
この香りはどう考えても波留多のもので。





「はあ、、、どっから出てきたわけ?」



わたしの手を引いて去っていこうとする。



「波留多」

「おい勇太…この問題はお前が歩み寄らなきゃ意味がねえ。自分と向き合うのが怖かったらとりあえず周りと向き合ってみろ」

「ちょ、ちょっと!!」




波留多はそれだけ言うとわたしの手をずんずん引きずって歩き出した。




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