嫌いの反対
スッと通った鼻、二重のクリクリの目。
薄い唇に、透き通るチョコレートみたいな茶髪。
「え、あなた黄竜の人?」
私は目を丸くしながらそう言った。
「んなわけあるかよ、あんな族には入んねーな」
「そ、ならいい」
「お前誰を待ってんだよ」
「待ってるんじゃなくてここの生徒なの」
「だったら入ればいいじゃねえか」
「は?だから無理」
「あ?何で」
彼は私の返事を聞かず、腕を引っ張りながらズカズカと入っていく。