嫌いの反対
そんな私を見下ろす波留多はフッと鼻で一回笑うと俯く私に目もくれず言い放った。
「まあ、世間一般で見ればこんなところ、だろうな」
「え?」
「落ちこぼれ、とでも思ってるんだろうな」
波留多の声に顔を上げると波留多は遠くを見るような目で私を見つめる。
その目は私を見ているようで…見ていない。
「波留多は…波留多には何があったの?」
思わずそう聞いてしまうような。
でも聞いたら後悔するような。
波留多はそんな目をしていた。