嫌いの反対
見捨てないで。
そんな都合のいい言葉ばかりが脳を支配する。
波留多に捨てられたくない。
自分がおかしく見えた。
どうしてこんなに波留多に頓着しているのだろう。
離れたくないのだろう。
泣きたくなるほどの思いがあるのだろう。
どこかにしまいこんだこの感情を思い出せない。
どこのタンスにしまって置いていたのか。
どこの段ボールに詰め込んだのか。
それすらわからないからこの感情の意味が、名前が、わからない。